<<展開

Broyden法による求根

概要

Broyden法(ブライデン法)は複数の方程式から得られる多次元の解を求める数値計算手法で、セカント法を一般化した手法.セカントが傾きで微分を近似したように、計算が複雑なヤコビ行列を一つ前のヤコビ行列の更新で実現.
Facebookシェア Twitterツイート LINEで送る このエントリーをはてなブックマークに追加
この章を学ぶ前に必要な知識
0
条件
  • 複数の式
効果
  • 関数f(x)=0となる多次元の解xが求まる
ポイント
  • 多次元の解を得られる

解 説

Broyden法(ブライデン法)は複数の方程式から得られる多次元の解を求める数値計算手法(球根アルゴリズム)で、セカント法を一般化した手法.セカント法が傾きで微分を近似したように、計算が複雑なヤコビ行列を一つ前のヤコビ行列の更新で実現しているのが特徴.
Broyden法による求根の概要
セカント法についてはリンク参照ください.
Broyden法の流れ 1. 初期ヤコビアン行列\(\boldsymbol{J}_0\)と解に近い二つの多次元ベクトル\(\boldsymbol{x}_0, \boldsymbol{x}_1\)、関数\(\boldsymbol{f}(x)\)を用意 2. 下記の一つ目のヤコビアン更新式に基づいてヤコビアン\(\boldsymbol{J}_n\)を算出. 3. 下記の二つ目の更新式に基づいて\(\boldsymbol{x}_{n+1}\) を算出. 4. 2.と3.を繰り返して求められる精度になるまで繰り返す. ヤコビアン更新式 $$\boldsymbol{J_n} = \boldsymbol{J_{n-1}} + \frac{ \Delta\boldsymbol{f}_n - \boldsymbol{J}_{n-1} \Delta{x_{n } }}{||\Delta x_n||^2 } \Delta{x_n}^T$$ 更新式 $$\boldsymbol{x}_{n+1} = \boldsymbol{x}_n - \boldsymbol{J}_n^{-1}\boldsymbol{f}(\boldsymbol{x }_n)$$ 別の作戦 上記ではヤコビアン\(J_n\)を更新したが、更新式で欲しいのは\(J_n^{-1}\)であるので、それを直接更新する方法も提案されている.
Broyden法の詳細
この章を学んで新たに学べる
Comments

Reasons
>>隠す

知識: セカント法による求根
セカント法(割線法)は、関数が0になる変数の値を求めることができる球根アルゴリズムで、ニュートン法では微分できることが必要でしたが、その必要はなく一つ前の解との差分から傾きを計算する手法です.ここでは一次元のみ紹介します.セカント法はニュートン法と異なり二次収束しないため、ニュートン法ほどの収束の速さは保証されませんが関数によっては早くなります.