構造色とは

概要

構造色は、CDやシャボン玉、玉虫のような光があたることで微細構造による光の干渉、回折、屈折で特殊な波長を返す現象のこと.染料などの色の元となる色素は特定の色以外を吸収することで色を出すが、構造色は構造によって特定の波長の光を発光している.色あせることがないことや見る方向によって色が変わることなどが特徴で、商業用途への応用も広がっている.
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この章を学ぶ前に必要な知識
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効果
  • 構造によって色を発光するため、傷つかないかぎり色褪せない
  • 金属調な発光を行う
  • 見る方向で見える色が異なることがある
ポイント
  • CD、玉虫、鳩、モルフォン蝶、孔雀、シャボン玉、真珠などが構造色を持つ
  • 微細構造によって光の回折、屈折、干渉がおき特定の波長の発光が引き起こされる
  • 微細構造は4つほどあり、薄膜、多層、回折格子、散乱

解 説

構造色(Structural coloration)は、CDやシャボン玉、玉虫のような光があたることで微細構造による光の干渉、回折、屈折で特殊な波長を返す現象のこと.染料などの色の元となる色素は特定の色以外を吸収することで色を出す(赤い服なら赤以外の色を色素が吸収するため赤色のみ反射される)が、構造色はその微細構造によって特定の波長の光を発光している. ・経年劣化せずに時間が経っても色褪せることがないこと ・見る方向によって色が変わること ・メタリックな鮮やかな色 などが特徴で、自動車などの商業用途への応用も広がっている.
構造色(Structural coloration)とは
構造色を実現する構造として、例えば以下の4種類があげられる. ①薄膜構造 ex) シャボン玉  理由: 膜の内側の光と外側の光が干渉するため ②多層構造 ex) タマムシ 理由: 特定物質の多層構造によりそれぞれの層で反射した光が干渉しあうため ③回折格子 ex) CD 理由: 表面の微細な凹凸が回折格子と同様な役割を担うため ④散乱 ex) オパール 理由: 光が微粒子によって干渉・散乱されるため
構造色の仕組み
魚類において銀色になっている部分は、グアニンの結晶構造等の多層構造による構造色. カメレオンについても同様に表皮にあるグアニン結晶で構成されるフォトニック結晶による光の反射. イカの変色も多層構造による干渉によるもの. 他多くの生物が構造色を有している.
構造色余談
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