- @ThothChildren
- 2018.12.8
- PV 153
サーカムスクリプション
ー 概要 ー
サーカムスクリプション(極小限定)は、宣言されていることだけが正しいものと仮定して推論を行う.閉世界仮説のように明示的に示されていないものは偽とする.例外がありうるときにも「例外である」としていないものは全て「例外でない」として扱う.
この章を学ぶ前に必要な知識
条件
- 例外は全て知っているものと仮定
効果
- 明示されていないことは偽であるとする
ポイント
- 新しい知識を加えても知識が増えるとは限らない(非単調論理)
解 説
サーカムスクリプション(極小限定)は、宣言されていることだけが正しいものと仮定して推論を行う.閉世界仮説のように明示的に示されていないものは偽とする.例外がありうるときにも「例外である」としていないものは全て「例外でない」として扱う.
よくある「ペンギン」と「鳥」の例を提示する.
・Penguin(x)→¬Fly(x)
・Penguin(x)→Bird(x)
ということがわかっているときに、全ての鳥の種類に「OOO(x)→Fly(x)」と書くわけにはいかないので、
「Bird(x)は普通はFly()」のような記述がしたい.
それを愚直に書くとしたら 「異常である」を示す述語Abnormalを導入して
・Bird(x) ^ ¬Abnormal(x)→Fly(x)
の形で記述することができたら理想である.
しかし、例えばPigeon:鳩の場合を考えると
・Bird(Pigeon)^ ¬Abnormal(Pigeon)→Fly(Pigeon)
という評価をすることになるが、結局「¬Abnormal(Pigeon)」を宣言していないとならない.
そこで「サーカムスクリプション」を導入する.
サーカムスクリプションでは宣言していないことは偽であるため、「Abnormal(Pigeon)」を宣言していないので偽として扱い、「¬Abnormal(Pigeon)」は真であると評価することができる.
そのため適切に
Bird(Pigeon)^ ¬Abnormal(Pigeon)→Fly(Pigeon)
から「Fly(Pigeon)」を導出することができるようになった.
逆にPenguinに対しては、
・Abnormal(Penguin)
の宣言が必要となる. | サーカムスクリプション(極小限定) |
$$Circ(K) = K \land \forall x (P \to Q) \to \forall x(Q\to P) $$
上記の式は「PならばQのとき、QならばP」を示している.
PならばQのとき、QならばPというのは、
「xが焼けるものはxは食べれるもの」のとき「xは食べれるものはxはごはん」
とおうこと.PとQは同一のもので置き換えられるものとなる.
ペンギンはAbnormalなので、Abnormalなものはペンギン.
Abnormalじゃないものはペンギンじゃない.
ペンギンじゃないものはAbnormalじゃない. | サーカムスクリプションの定義 |
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