背景型シュリーレン法

概要

背景型シュリーレン法(BOS, Background-Oriented Schlieren)は液体や気体の濃度勾配を可視化するのに用いられる一般的な手法の一つ.通常のシュリーレン法よりも簡易なシステムにおいて実現することができレンズやナイフエッジなどが不要となっている.太陽や月の光を用いて航空機の周りの衝撃波を可視化することも可能.基準画像との相互相関法によって画像を生成する.
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この章を学ぶ前に必要な知識
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条件
  • 観察対象の気体が必要
  • 何も写っていない基準画像を撮像する必要あり
  • ランダムドット画像を背景とする
効果
  • 気体や流体の密度変化(密度の一次微分)を可視化できる
ポイント
  • シュリーレン法より設置の自由度が高い
  • 太陽や月の光を用いて航空機の周りの衝撃波を可視化することも可能
  • 何も濃度変化のないときの基準画像と被写体を入れた濃度変化のある画像との相互相関法によって可視化

解 説

背景型シュリーレン法(BOS, Background-Oriented Schlieren)は液体や気体の濃度勾配を可視化するのに用いられる一般的な手法の一つ. 通常のシュリーレン法よりも簡易なシステムにおいて実現することができレンズやナイフエッジなどが不要となっている.何も濃度変化のないときの基準画像と被写体を入れた濃度変化のある画像との相互相関法によって可視化を実現しており、シュリーレン法と同様に濃度の一次微分を可視化している. 太陽や月の光を用いて航空機の周りの衝撃波を可視化することも可能.
背景型シュリーレン法(BOS, Background-Oriented Schlieren)とは
手順に関しては以下のように行う.(初期の方法について紹介する) 1. 密度変化のない空気のみが被写体とカメラの間にある状況で一枚の基準画像を撮像する. 2. 被写体の流体を流しもう一枚撮像をする. 3. 相互相関法によって可視化画像を算出. 速度や濃度勾配などを可視化したものとなる.
背景型シュリーレン法の手順
実際のBOS法による可視化 (https://www.jstage.jst.go.jp/article/kikaib/77/784/77_784_2391/_pdf の 「Background Oriented Schlieren 法に基づく密度勾配の可視化法の改良」より引用
BOS法では背景画像にランダムパターンを用いることで、相互相関法による画像の変位ベクトルの算出を行なっている. 濃度\(\rho \)と屈折率\(n\)の間に以下のGladstone-Daleの関係が成り立つことを前提としている. (Gladstone-Dale定数を\(k\)とする) $$ k = \frac{n-1}{\rho }$$
BOS法で使用される技術や原理
背景型シュリーレン法の概要図
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